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2015-04-05

東京でBDF 事業を開始 大田区の町工場を再生し

3・11後の新しい都市のあり方へ
 東日本大震災後、東京のワーカーズコープで働く組合員有志が、エネルギーを大量消費する都市環境の中でこそ資源を循環させようと、事業所や地域の商店などから廃食油回収を始めました。その活動が、BDF(バイオディーゼル燃料)を精製する事業所、労協センター事業団「東京バイオマス地域福祉事業所あぐり~んTOKYO」(東京都大田区)の開所につながりました。開所式には城南信用金庫の吉原毅理事長も参加。廃食油回収やBDFの活用に多くの市民の参加を得て、困難を抱える若者や障がいのある人の働く場づくりにもしていきます。
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城南信金の吉原毅理事長と日本労協連の永戸祐三理事長が看板を披露



「花と油ネット」から事業化
 品川駅から羽田空港に向かう京浜急行電鉄空港線の糀谷(こうじや)駅から歩いて10分弱、にぎやかな糀谷商店街を通り抜けた先に、BDF事業所はあります。
 使われていなかった町工場を再生。プラントの一部は、千葉県芝山町のBDF事業所「あぐり~ん」で使用されなくなったものを再利用、滋賀県の油藤(あぶらとう)商事株式会社の協力でドライ清浄方式(乾式)の設備を加えています。
 開所までには、社会連帯活動「東京花と油のネットワーク」の取り組みがありました。
 2011年秋、組合員の家庭の廃食油を集めるところからスタート。地域の弁当販売店や飲食店など50カ所近くに回収先を広げ、14年末には回収量が700リットルを超えるほどに。生活困窮者の社会参加や就労体験の場ともなりました。
 集めた廃食油は芝山あぐり~んに運んでいましたが、地元東京でBDFが作れないかと、事業化を模索。企画書を書いて芝山あぐり~んの旧プラントをもらいうけ、城南信金とBDF事業における連携の可能性が見えたことから、新事業所が現実に。西部リングス事業所(池袋駅周辺の路上清掃現場)の木下史郎さんが所長(兼任)、芝山あぐり~んから、魚住亮輔さんが工場長に着任しました。
 こうした経緯から、東京の組合員が自ら出資し、さまざまな力を発揮しているのが、特長の一つ。小川勇気さん(東京北部)は、トラック上に油を吸引するポンプを設置。河上奈緒子さん(東京南部)は看板をデザインしました。

城南信金で回収 被災地支援にも
 震災後、ワーカーズコープは、脱原発を打ち出した城南信用金庫と、協同組合組織として連携してきました。
 城南信金では、一部の店舗から、回収ボックスの設置を始める予定です。店舗で集められた廃食油や、取引先の希望によって、あぐり~んTOKYOが原料として買い取るお金を、城南信金が取り組んできた東北復興支援活動に寄付する仕組みをつくりました。
 また、各店舗の社員食堂から出る廃食油の回収を始めています。

あぐり~んTOKYO 人と人のつながり広げる拠点へ
3月20日、工場近くの荻中・新宿東町会会館で開所式を行い、関係者や組合員など約50人が集まりました。
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労協センター事業団の藤田徹理事長があいさつ。「地域とつながることが何よりも大事」と



 開所式では、多くの来賓から、地域に資源循環の拠点ができることへの期待や、若者自立塾卒塾生の魚住亮輔工場長の発表への感動の声が。
 近隣の羽田神社の講元、公益財団法人伊東奨学会代表の石井五六さんは、「戦後の物がない時代を過ごした。私たちの世代では物をムダにしないことは当たり前だが、その後、“使い捨て”の時代に。子どもたちの教育的にも、この仕事は好ましいもの。学校の先生方にも話していきたい」と力強く。
 大森本町ミハラ通り北商店会会長の北山輝夫さんは、「自立塾を卒業された方がここで見事に発表され、循環型の社会を担っていくと力強い説明があったことが、感動だった。ワーカーズコープの、循環型社会をつくるだけでなく、そこに携わる人的な財産をつくっていくというところがすばらしい」と。
 若者自立塾で演劇ワークショップに関わっていた、劇団銅鑼の小関直人さんも感動を伝えました。
 NPO法人たすけあい大田はせさんずの矢嶋早苗さんは、「引きこもりなどの就労支援という社会的意義のあることに取り組んでいる。改めていいなと思い、ずっと一緒にやっていきたい」。また、介護保険法改正に際し、「区民誰もが参加しないといけない。連携してがんばっていきたい」と、地域づくりにも期待を示しました。
 城南信金の吉原毅理事長が連帯のあいさつ。松原忠義大田区長、安藤充大田区議会議長からのメッセージが紹介されました。
 「廃食油の市民回収を広げよう」をテーマに、城南信金の山藤公一専務理事、アドバイザーとして協力しているエコバイオ株式会社の立川京介代表取締役CEO、あぐり~んTOKYOの斎藤栄治さんが登壇、取り組みを紹介しました。
 ワーカーズコープの古村伸宏専務は、「地域の皆で循環を生み出すことは、地域のあり方を地域の人たち自身が決めていく、自治を高めていくことに発展するのでは。この事業を何に活かすかを地域全体の課題として、あらゆる人たちに参加してもらい、経営状況も伝え、事業としても成り立たせてほしい」とまとめました。
 閉会にあたり、木下史郎所長は、自分自身がアルコール依存症で社会的に孤立した経験を話しました。東日本大震災後の新しい地域づくりをめざす事業にあたり、その当時は魚住工場長も自分も引きこもり、役割を持てずにいたからこそ、資源だけでなく、人間の生きる力をも再生する場となることをめざし、「社会問題に真っ向から立ち向かっていくことが、ワーカーズでの使命だと思っている。ここを拠点に、人と人とのつながりを広げ、地域づくりに貢献できる事業所にしたい」と力強く話しました。

小中学校とも連携 地域の中の工場
 事業として自立するにも、月に2万リットルの廃食油回収が目標。
 ワーカーズ本部・事業推進本部の豊島操さんを始め、総務、社会連帯機構などの本部メンバーが、大田区の教育委員会の協力を得て、区内の小中学校の給食室にあたり、いくつかの小中学校で回収が始まりました。
 斎藤栄治さんは、「小学4年生の授業で工場見学に行ってもいいかという話が。大歓迎ですと伝えている」と。「子どもたちが工場に来て、油がきれいになる様子を見てもらったり、東北復興支援につながるところも知らせられたら」と話します。
 将来的には、PTAを通じて、学童による回収を実現させたい考えです。
 3月3日に初の地域懇談会を開催し、工場を披露。4月には事業所として町内会に入会します。BDF普及のイベント等を行い、商店街や町内会、病院など、回収拠点を増やそうと取り組んでいます。
 現在、精製したBDFは、あぐり~んの回収用トラックや、ワーカーズの事業所で試験的に使用し、その後、一般販売を予定しています。
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category総合  time2015-05-12 11:01

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