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協同ってこういうこと ―地域、利用者、仲間、家族―

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労協流のヘルパー仲間づくり

岡元さんは、ヘルパーの仲間たちがどのようにして力をつけてきたかを、こう語る。

「私たちは、毎回の講座でワーカーズコープの説明をし、私たちの働き方を伝えてきていますが、短時間就労の人にも、『働き方は協同組合なので、出資金が必要だ』と最初に訴え、組合員になってもらい、毎月の定例会議やケース検討会を通じて、自分たちの働き方をしっかり受け止めてもらうようにしています。だから、新しく入ったヘルパーは、“先輩たちが苦労してやってきたことがつながって今があるのね”と、いってくれます。

ヘルパーは自宅と利用者のお宅との直行直帰の場合が多いけど、うちでは、できるだけ事務所に立ち寄ってもらいます。『いいことがあったらみんなに伝えてね。つらいときは家に持ち帰らないで、必ず事務所に来て、はきだしてね。じゃあどうすればいいかってのはみんなで考えればいいことだから』と言って。

そんなふうにしてるから、毎月夜7時からなのに、定例会(土曜夜か日曜昼かどちらか)にはほんとによく集まってくれます。いいことも悪いことも、そこで話し合えるから、いいケアにつながっていく。随時開くケース検討会もすごく大事にして関わってくれてるから、利用者さんからもすごい信頼を得てます」

だからこそ、現在の介護保険制度の問題点を改善していくことも含めて、「要介護にさせない、重度化させない」取り組みをする、働く人たち、市民自身の事業・運動体、労働者協同組合が役割を発揮しなければと、考えているのだ。

女性として家族に向き合って

かつて、「余った時間」だけ働いていた女性たち。今では、朝早くから夜遅くまで動き回っている。家庭との関係はどうなったか。

「生協の仕事をしていたときも、自分たちでシフトを組み立てるようになってきたら、みんな、ご主人に対しても、自分はきちっと働いてるといえるようになったといっていました。私自身も、前は、“まったくう!”と腹をたてながら、いわれるままにしてたけど、だんだん私の勢力が強くなって、“冷蔵庫あければ材料はあるんだから、自分でつくればいいじゃないか”といえるようになったし。野菜炒めとか簡単なものは自分でできるようになったし、豆腐はあるしね。今はもう、一切何もいわない」

夜は遅いので、その分、保母をしている娘が食事をつくることになる。「けっこうおいしくつくってくれるので、おとうさんも誉める」が、何日も続くと、娘さんにも限界が来る。

「いい加減にしてよね。黙ってりゃいい気になって、いつまでもご飯をつくってもらえると思ってるの」と抗議を受ける。

「だってしょうがないだろ。遊んでくるわけじゃないしい。仕事が人との関係の仕事だから、そうはいっても、ほっぽりだせないの」

しかし、こんな時もある。

「私が疲れてると、夫は茶碗を洗ってくれたりするんです。偏頭痛がして、『とにかく納豆ごはんで食べてくれる』といって、そのまま布団に入ったことがあったの。何か気持ちがいいと思ったら、夫がこめかみをもんでくれてたんです。娘から『お父さん、すごい心配してるんだよ』って聞いて、うれしくなって。ああ、やっぱし、思っててくれてたんだって」

岡元さんと一緒に歩んできたメンバーも誇りを持っている。

「今の人たちと一緒に働けてよかったあ。だから、誰一人欠けることなく今の人たちと、次の地域福祉事業所もおこしていきたい。いざというときは、みんなの力ってすごいんだとわかる。実感できる。だからすばらしいと思う。こういう思いができて過ごせた自分の人生、すばらしいと思っちゃう。みんなのすばらしさを感じながら仕事できるなんて、なかなかできないことだから」

これは、縮小された生協物流現場のリーダー、飯野さんの実感だ。彼女はこうも言う。

「前は、私は生協の物流で働いてるのよとか、友だちにもあまり素直にいえなかったのね。でも、今は、うちは、物流もあるし、お弁当もあるし、豆腐もあるし、福祉の方もやってるから、何かあったらいってね、とかいうことが、素直にいえる。なんとかなるから、なんでもいってね、って。お豆腐もいつでも持ってくるよ。お弁当も注文くれれば、いつでも届けるよ、とか。そういうのが普通に、とまどいなくいえるから、自分も成長したのかな」

私たちのとっての協同とは

「協同とは何か」。
この質問に、岡元さんは一瞬考えたが、「むずかしいことじゃなくて、一人じゃなく、みんなでやることよね。いろんな人たちが関わることで、いろんな発想が出てくると、これだったらいけるんじゃないか、というものがある。その発想をもとにみんなでやる」と答えてくれた。

「地域の必要性をもとに事業計画を立て、いろんな人たちに訴えていけば、自分たちで拠点をつくれる。雇用を待っているだけではなくて、自ら地域で拠点を作って頑張ることができるんだというのが、今の実感です。こういう地域福祉事業所を一つといわずに、またもう一つと頑張っていきたいなと思っております。中学校区に1カ所の地域福祉事業所が目標です。清掃の仕事、障害者支援、子育て支援もやりたい」

岡元さんは、各地の労協が主催するヘルパー講座(仕事おこしの特別講義)に呼ばれると、こんなふうに決意を述べる。
何か問題があったら原点・なぜこれをやろうとしたか、ということに戻りながら。