今日よりも明日へ 希望を持てる地域社会をつくる拠点


かつて「地域福祉事業所だんらんグループ」のリーダーとして奮闘、現在はワーカーズコープ副理事長を務めている岡元かつ子さん。いったいどんなやり手なのかと身構えて訪ねてきた人の誰もが「普通のおばさんだった」と評する。
「最初、生協委託の仕事だけのときは60人が最大でした。そこは20人に減ったけど、豆腐事業を立ち上げ、お弁当、訪問介護、デイサービスと広がって、働く人は130人を越えています。すごいでしょ」
自画自賛なのだが、ちっとも嫌みがない。
みんなのがんばりに素直に感動する。だから、「すごいでしょ、すごいでしょ」と、自分たちのことを誉める言葉も素直に出る。そして、「なぜここまで」と秘訣を尋ねられたときは、「協同だからできたのよ」と繰り返す。
年表で見るだんらんグループ
- 1987年5月~
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1987年5月に生協物流現場の委託事業からスタートした。
不況の波が、委託側に厳しい現実がせまられる状況になった。その当時60名が組合員として働いていた。自分たちで、運営・経営に責任を持って働くことを意識して取組むことに努力して来ていた。
しかし、1994年に委託の打切りの話が提示される。
組合員の中から「仕事おこし」の声が出始める。「仕事がなくなるのなら、何か自分たちで新しい仕事をしたい」
健康弁当づくり、喫茶店(人がたまれる)などの声がでるが、具体化には…。
長野県北御牧村へ豆腐づくりの見学を実施する。「本物の豆腐づくり」をしようと組合員へ提案し、新しい仕事おこしの挑戦開始…全組合員へ参加を呼びかける。
- 1995年6月
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「とうふ工房」オープン
・国産大豆、天然ニガリ100%
・大豆栽培に挑戦――2反歩(600坪)――450K収穫 - 1997年2月
- 老人給食を目標に「愛彩」オープン
・安心、安全、手づくりの健康弁当 - 1998年1月
- 深地域でヘルパー3級養成講座開催
・3級 2回 ・2級 1回(ヘルパーステーションを目標)
☆引き続き年間計画で実施 - 1999年5月
- ヘルパーステーションだんらん 立ち上げる。
・2級修了生 20名 組合員として開始
・地域13000枚 チラシポスティング
・病院、薬局、公民館、民生委員等の訪問行動 - 1999年10月
- ケアマネージャー配置
・居宅介護支援事業所として指定決定
・10月より深谷市より調査委託開始 - 1999年11月
- 訪問介護指定事業所決定
- 2000年2月
- 「住民が選択した町の福祉」上映会と「深谷市長と羽田澄子監督」のトークショウ開催、500名鑑賞
- 2000年4月
- 介護保険制度スタートで本格的事業開始
・居宅支援 30件
・訪問介護 20件
・ヘルパー講座年間計画実施(深谷市・熊谷市)450名修了 - 2000年10月
- 福祉コンビニ箕輪事業取組み
- 2001年3月
- 居宅・訪問介護の運営基盤確立
- 2001年4月
- 新年度事業計画に通所介護を目標に立て計画提案する。
・開設準備に向け、全組合員(物流・とうふ工房・愛彩・だんらん)へ推進会議実施 - 2001年7月
- 通所介護事業開始
- 2001年7月
- 深谷市配食市委託決定
- 2002年4月
- 熊谷・妻沼地域福祉事業所「ほほえみ」開所(訪問介護)
- 2002年6月
- 福祉用具貸与指定事業所開始
- 2003年5月
- 「デイサービスほほえみ」開所
- 2004年11月
- 深谷南地域福祉事業所「だんらん上柴」オープン
訪問介護、通所介護、生粋くらぶ、ナイトケア開始 - 2005年4月
- 「だんらん上柴」居宅介護支援開始
- 2006年4月
- 「デイサービスほほえみ」居宅介護支援開始
- 2007年4月
- 介護予防事業始まる
物流現場委託から自前の仕事おこし事業へ展開し、これまでにたくさんの人たちと出合い・地域のコミュニティの場、そして生きがいの場としての拠点になったといえる。
一人では何も出来ないが協同労働だからこそ、こんなに力が発揮できると実感している。