■協同労働の協同組合法案は、以下の4つの要件を柱としています。
- 自発的な仕事おこしを協同労働により実現する。
- 働く意志のある人々が、共同で出資し、共に労働し、経営する。
- 組合員は、働く人々からなり、働く人々が組合員となる。同時に、目的に賛同し出資をする人々も、組合からサービスを受ける利用者も組合員となれる。
- 剰余を起業支援、教育、地域社会の福祉を担う事業のために積み立てる。
■いま「協同労働の協同組合」の法制化・新しい公共性の担い手へ
「協同労働」は、様々な人々が、多様な産業の中で実践を積み重ねています。生協の組合員活動の中から生まれたワーカーズコープ・ワーカーズコレクティブや、自主管理企業など労働組合運動での実践、障害者運動や社会的引きこもりをなくす取り組み、そして農業をはじめとする第1次産業や加工・生産、教育や文化など、あらゆる方面で、その芽が生まれています。
こうした実践を評価し、積極的に公共の担い手として、労働者協同組合を位置づける自治体も広がっています。「就労につなげる仕事づくり」を軸にした職業訓練事業を委託する自治体(鹿児島県・東京都・同足立区など)や、商店街活性化・子育て支援・元気高齢者づくりなど、各地で焦点となっている課題・テーマを事業として委託する自治体など、「新しい公共性」の担い手として、「協同労働」を評価する流れは、広がっています。
こうした現状をふまえ、「協同労働」という新しい働き方と、労働者協同組合を法的に位置づけることを目指し、2000年11月に「『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議(代表:大内力東大名誉教授)」が結成されました。その中で労協連合会は中心的な役割を果たし、幅広い参加と支援を集めながら、総合的な法制化運動を推進しています。
「協同労働の協同組合法」は、リストラや大量失業が加速度的に深刻化する中、労働者・市民自身が地域で必要とされている仕事を協同してつくり出して働く、こうした仕事おこしと協同労働によって、尊厳ある労働と生きがいを持った人生を保障し合うことに道を拓く、労働者協同組合を社会的に位置づける法制度です。今日、先進8ヶ国の中で労働者協同組合に関する法律がないのは日本だけです。
■ILO勧告
ILO(国際労働機関)は、2002年6月の総会において「協同組合の促進に関する勧告」を圧倒的多数で可決しました。この勧告は、社会的排除・失業を克服し、就労の創出と労働の人間的な再生、「ディーセントワーク」の実現のために、協同組合の潜在的な可能性を積極的に活用するよう求める勧告です。またその内容には、「協同組合に関する特別の法律と規制」ということも提起され、その他具体的な実践提起がなされています。「すべての人々の経済発展および社会発展への完全参加を促進する」組織として、協同組合・協同労働の価値への期待を表明するものです。